日本臨床細胞学会雑誌
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子宮頸腟部スメアに出現する非腫瘍性延長細胞
その形態学的特徴と免疫細胞学的検討
田中 洋子杉原 佳子鐵原 拓雄広川 満良
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1995 年 34 巻 6 号 p. 1070-1073

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抄録

子宮頸腟部スメア12,560例中に認められた非腫瘍性延長細胞24例 (0.19%) について, 形態学的, 免疫細胞学的に検討した. 形態学的に延長細胞は, 結合性を有し, 細胞境界が明瞭な1型, ほとんど結合性をもたず著明に延長した細胞質を有する2型, 孤立散在性に出現し, 辺縁不明瞭な泡沫状の細胞質を有する3型に分類した. 1型および2型はkeratin陽性で, 扁平上皮および化生細胞由来と考えられた.
3型はkeratin, vimentin, lysozymeいずれにも陰性でその由来を示唆することはできなかった. また, 非腫瘍性延長細胞の出現と年齢, 臨床診断, 月経周期などとの関連は認められなかった.

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