日本臨床細胞学会雑誌
Online ISSN : 1882-7233
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卵巣粘液性腺腫の塗抹細胞像
特に核所見を中心として
三宅 康之大杉 典子鐵原 拓雄畠 榮広川 満良高須賀 博久則松 良明
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1996 年 35 巻 1 号 p. 1-5

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抄録

卵巣原発の粘液性腺腫とその他の表層上皮性腫瘍における核所見の塗抹細胞像について比較検討した. 粘液性腺腫10例では, 核縦溝 (coffee-bean nuclei) および核内細胞質封入体を有する細胞の出現率はそれぞれ平均14.8%および2.8%であったのに対し, 他の表層上皮性腫瘍13例では1.5%および0.2%であった. 粘液性腺腫では三日月様核も多く観察され, 粘液によって圧排された像と考えられた. 以上より, 核縦溝, 核内細胞質封入体, 三日月様核などは粘液性腺腫の特徴と考えられ, 他の表層上皮性腫瘍との鑑別に役立つ所見と考えられた.

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