日本臨床細胞学会雑誌
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Multilocular Peritoneal Inclusion Cystの2例
超音波下穿刺吸引細胞診の意義
武内 享介, 望月 眞人, 北沢 荘平, 中罵 一彦, 北垣 壮之助, 古結 一郎
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1997 年 36 巻 2 号 p. 244-248

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抄録
Multilocular peritoneal inclusion cyst (MPIC) は嚢腫様の中皮増殖を主体とする多房性の非上皮性嚢胞である.今回, 臨床的にMPICを疑った2症例に対して, 経膣超音波下に嚢胞内溶液の穿刺・吸引を行った後, 腹腔鏡による嚢胞切除あるいは薬物治療を行い再発を防止し得た.2症例とも2回の産婦人科手術の既往があり, いずれも下腹部不快感を主訴として来院した.来院時ダグラス窩に嵌入した無痛性の腫瘤を触れ, 画像診断にて骨盤壁, 腸管に沿って不規則な形で拡がる多房性嚢胞を認めた.既往歴および画像診断よりMPICを疑い経膣的穿刺吸引細胞診を施行し, きれいな背景の中に孤立散在性の反応性中皮細胞を確認した.これらの症例に対して, 腹腔鏡による嚢胞切除と薬物による卵巣機i能抑制を行い, 切除症例に関しては組織学的にもMPICを確認した.2症例とも術後2~3年の時点では再発徴候を認めていない.MPICは腹膜障害によって発生し, 頻回手術の原因ともなるので, できる限り腹膜への侵襲が少ない治療法を選択する必要がある.そのためには, 臨床的にMPICが疑われる症例に対して, その確定診断の一助として穿刺吸引による細胞診を適用するのが有用と考えられた.
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