日本臨床細胞学会雑誌
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穿刺吸引細胞診で診断しえた良性脂肪芽腫の1例
和田 匡代高橋 保植田 庄介一圓 美穂宮崎 恵利子松浦 喜美夫森木 利昭
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1998 年 37 巻 5 号 p. 537-540

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抄録

良性脂肪芽腫は乳幼児に発生するまれな腫瘍で, 細胞診の報告はほとんどみられない. われわれは穿刺吸引細胞診で診断することができた生後6ヵ月の男児例を経験したので報告する. 多数の成熟脂肪細胞とともに多房性空胞を有する脂肪芽細胞が混在して採取された. 毛細血管も豊富で線維性隔壁様の構造も含まれていた. 脂肪肉腫とは核の異型性, 多形性やクロマチンの増加がみられないこと, 褐色脂肪腫とは典型的な細穎粒状好酸性胞体をもたないこと, 通常の脂肪腫とは豊富な脂肪芽細胞の存在から鑑別可能と考えられる. また, 発症年齢も参考になると思われる.

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