日本臨床細胞学会雑誌
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乳腺穿刺吸引法における腫瘍細胞集塊形に関する検討
横山 俊朗河原 明彦吉田 友子杉島 節夫島松 一秀鹿毛 政義古賀 稔啓
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2000 年 39 巻 2 号 p. 61-67

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抄録
目的: 乳腺穿刺吸引細胞診において良悪性の鑑別を正確に行うために良性および悪性腫瘍のおのおのの細胞集塊形の特徴について検討した.
対象: 乳頭腺管癌16例 (356 clusters), 線維腺腫15例 (251 clusters) の乳腺穿刺吸引細胞標本を用いた.
成績:細胞異型の乏しい乳頭腺管癌の集塊の縦横比は1に近く, 形状は多分岐状で, 個々の細胞の突出による凹凸を有する輪郭を形成していた. 細胞重積性による半島状に突出した複雑形状となるものもみられた. 一方, 線維腺腫の細胞集塊形状は直線的に長いものと滑らかな曲線からなり, 円形に近いものがみられた. 集塊形は集塊内の細胞重積性の有無とその分布と関連し, 複雑な輪郭を来たす機序が異なっていた. 線維腺腫では集塊の辺縁部に重積性を伴い, 核間距離の不整が多くみられた. 一方, 乳頭腺管癌では細胞集塊の中心部から辺縁部にかけて重積性がみられたが, 辺縁部においては比較的重積性は少なく個々の細胞の結合性の不均一性から生じた, 複雑な輪郭を形成していた.
結論: 今回の検討により, 良性ならびに悪性腫瘍細胞集塊形状に特徴があることが明らかになり, 乳頭腺管癌では細胞集塊の大きさに依存しない集塊形状が明らかになった.
細胞異型の乏しい乳腺腫瘍の細胞診の診断に際しては, 個々の細胞の所見に加え, 細胞集塊形状に注意を払うことにより, より正診率を高めることが期待できる.
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