日本臨床細胞学会雑誌
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バルトリン腺原発低分化腺癌の1例
奥山 大飯島 謙二廣島 健三石井 源一郎
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2002 年 41 巻 3 号 p. 159-163

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抄録

背景:バルトリン腺原発腺癌はまれな腫瘍で, 細胞学的報告は少ない. 今回, バルトリン腺原発と考えられる低分化腺癌の1例を経験したので, その細胞像と鑑別診断を中心に報告する.
症例:49歳, 女性. 以前から右会陰部に腫瘤を触知したが放置していた.1年くらい前より腫瘤が増大し, 悪性腫瘍が強く疑われたため, 腫瘍切除術が行われた. 術後の組織学 的検索により, 腫瘍はバルトリン腺原発と考えられる低分化型の腺癌であった.
結論:本症例では, 術前に原発部位ならびに組織型の推定が困難であった. 本腫瘍において早期に原発部位を推定することは治療法ならびに予後においても重要である. 腫瘍の発生部位より, 鑑別すべき疾患を考慮し, 本腫瘍の存在も念頭に置き診断する必要があると思われた.

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