日本臨床細胞学会雑誌
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細胞診が確定診断に有用であったmantle cell lymphomaの1例
岸本 浩次北村 隆司楯 玄秀光谷 俊幸
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2006 年 45 巻 5 号 p. 273-278

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抄録
背景: リンパ節穿刺吸引細胞診で悪性リンパ腫と診断し, さらに捺印細胞材料からfluorescence in situ hybridization (FISH) 解析を行い, 確定診断に有用であったマントル細胞リンパ腫 (MCL) を経験したので報告する.
症例: 患者は65歳, 男性. 頸部, 鼠径部リンパ節腫脹に気付き来院. 穿刺吸引細胞診が施行され悪性リンパ腫と診断. 細胞像は中型リンパ球主体で単調な出現パターンを示しており, 核は類円形からくびれを有する細胞もみられた. 細胞質は狭いものから豊富なものまでみられ, 核小体は小型で1-3個認めた. その他の所見は組織球, 貪食組織球, 核分裂像の出現が日立った.捺印細胞診でも同様な細胞所見で, 以上から中型リンパ腫細胞を主体とする悪性リンパ腫と診断した. さらに捺印材料を用いてFISH解析を行った結果, t (11;14)(q13;q32) 染色体転座が証明され, 組織学的所見, 免疫組織学的所見, フローサイトメトリーのデータと合わせてMCLと確定診断された.
結論:リンパ節細胞診で悪性リンパ腫と診断された場合, さらに各組織型を想定しFISH解析を施すことが確定診断につながるものと思われた.
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