2023 年 37 巻 論文ID: 37_1_nishio
【目的】若年性乳がんと診断され治療体験をもつ患者の診断後から治療期間におけるセクシュアリティに関する情報と支援ニーズを明らかにする.
【方法】研究デザインは,質的記述的研究デザインとした.A都道府県内の乳腺専門医の登録のある乳がん手術実施病院のうち,研究協力の同意が得られた3施設の患者,9名に対してインタビューを実施して質的帰納的に分析した.
【結果】診断後から治療期間における若年性乳がん患者のセクシュアリティに関する情報と支援ニーズは,告知の時期,治療開始までの時期,周手術の時期,化学療法の時期,ホルモン療法の時期,放射線治療の時期,治療終了時,すべての時期に認められた情報と支援のニーズの8つの時期に分類され,135のコードから40のサブカテゴリ―,19のカテゴリーで構成された.
【考察】若年性乳がん患者が求めるセクシュアリティに関する情報と支援には,治療の影響を受け変化した身体的・心理的・社会的・スピリチュアルなニーズがある.そのため,医療者は患者の治療時期を考慮した情報提供や支援をする必要がある.
【結語】診断後から治療期間における若年性乳がん患者が求めるセクシュアリティに関する情報と支援は,8つの時期に分類され,各治療の時期特有のニーズとすべての時期に認められたニーズが明らかになった.