抄録
【目的】肥満指導において,緩やかな低炭水化物食指導が体重,血圧,耐糖能,血中脂質に与える
影響並びに同指導に脂肪酸摂取に関する指導を加える影響を探索的に検討した.
【方法】肥満の男女3名(LC群)に緩やかな低炭水化物食を指導し,4名(LCFA 群)には,緩やかな低炭水化物食に加え飽和脂肪酸の制限とn- 3系多価不飽和脂肪酸の積極的摂取を指導した.栄養指導前と指導後4週間に,体重・血圧の測定,血液生化学検査および食事調査を実施した.炭水化物の制限は,被験者別に算出した主食量を毎食摂取することとし,主食以外は制限しなかった.飽和脂肪酸はエネルギーの7 %以下,n- 3系多価不飽和脂肪酸は魚類またはえごま油により摂取するよう指導した.
【結果】両群とも,エネルギーと炭水化物摂取量の減少に伴い体重と腹囲が減少した.さらに,LCFA群においては体脂肪量の減少とγ-GTPの低下が大きい傾向がみられ,これは脂肪酸摂取の変化による血中n- 3系多価不飽和脂肪酸の上昇に関連したものと考えられた.
【結論】緩やかな低炭水化物食により肥満者の減量を図る場合に脂肪酸摂取の指導をすることは,体脂肪減少や肝機能改善を促進させる可能性が示唆された.