2008 年 10 巻 1 号 p. 15-18
めまいは救急診療において遭遇する頻度の高い臨床症状の一つであり、適切な対応と脳血管障害の鑑別が重要となる。
当院では2003年より、めまい経過観察入院クリニカルパス(以下CP)を作成し運用している。CPの基本内容は、入院期間4日間、過去の症例分析による補液量、入院翌日のMRI、看護計画を組み込んだだけの単純なものである。
CP運用により、1年間のめまい入院症例数は106例から222例と倍増し、平均入院期間は4.7日から3.9日へ短縮した。外来および入院診療の標準化、看護業務軽減、安全性向上にもつながつた。MRIの徹底により222例中8例(3.6%)に脳血管障害(脳梗塞、椎骨脳底動脈血流不全)を認めた。