【目的】がん化学療法のリスクマネージメントの現状を把握するとともにがん化学療法パスについて、医療従事者がどのような認識を持っているのかを調査し、今後の留意点を検討する。
【方法】昭和大学病院でがん化学療法に従事している医師、薬剤師、看護師合計206人に対し、アンケート調査を行った。質問内容はがん化学療法のリスクマネージメントの現況およびがん化学療法パスの役割、有用性、使用法、印象の5項目とした。
【結果】アンケートは、医師24名(80%)、薬剤師16名(100%)、看護師143名(89%)から回答を得た。医師37%、薬剤師62%、看護師50%は現在の副作用リスクマネージメントに満足していないと回答し、副作用評価に対しては、医療スタッフ間で、重症度の評価方法に違いがあることが明らかとなった。また、医師、薬剤師、看護師の60%以上が、がん化学療法パスは、副作用の早期発見・治療につながると思うと回答していた。さらに、医療スタッフの多くはがん化学療法パスの使用により、治療内容が理解できると回答し、その有用性を高く評価していた。
【考察】アンケート結果より、がん化学療法パスは、副作用リスクマネージメントのツールとして全ての医療スタッフから期待されていることが明らかになり、今後の安全な化学療法の実施に貢献することが期待できる。
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