日本クリニカルパス学会誌
Online ISSN : 2436-1046
Print ISSN : 2187-6592
実践報告
脳卒中地域連携クリニカルパスの導入
西村 裕之加用 樹里松岡 真弓
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2008 年 10 巻 2 号 p. 103-110

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抄録

 「幡多地域連携パス検討委員会(連携パス委員会)」では、切れ目のない脳卒中治療を目指し、2007年5月1日から、当院と11の回復期病院で、「脳卒中地域連携クリニカルパス(脳卒中連携パス)」の運用を開始した。われわれの作成したパスは、紙ベースで、医療者用パスシートと、患者用パスシート、パス連絡表を1セットとし、急性期病院の入院期間によって、短期パスと長期パスの2種類を作成した。

 「脳卒中連携パス」が適応されると、当院診療情報管理室で患者の情報管理を行い、医療ソーシャルワーカー(MSW)の介入の下、転院の依頼を行う。連携病院転院時に、患者は連携パスシートを持参する。そして、連携病院を退院となった時点で、パスは終了となり、当院診療情報管理室ヘパスシートの原本を郵送、管理、情報収集を行う。

 6ヶ月85例の経験では、急性期病院から直接退院によるパス中止が多く、適応の再検討が必要であった。今後使用経験と「連携パス委員会」での検討を重ね、パスを改善していくとともに、維持期、2次予防までの連携方法を確立していきたい。

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© 2008 一般社団法人日本クリニカルパス学会
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