日本クリニカルパス学会誌
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学会報告(第8回学術集会)ワークショップ1 看護記録とパス
急性心筋梗塞パスにおける看護経過記録の分析
丹野 久美子太田 愛浪岡 まさみ菅原 一美
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2008 年 10 巻 2 号 p. 131-133

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抄録

 急性心筋梗塞(以下AMI)パス施行患者の看護経過記録にどのような内容が記載されているかを知るために、23例の記録を対象に記載された内容の分析を行った。分析方法は、教育的介入を示す看護診断名「非効果的治療計画管理」の記録から一文節ごとに抜き出し、KJ法を用いて分類し、特徴をまとめてラベリングした。また、心臓血管センターに勤務する看護師24名(平均年齢27.3±1.7歳)を対象に、AMIパス施行患者の生活指導に関する記録への記載の有無とその理由を聞いた。その結果、患者の反応と指導内容を知るために75%の看護師が看護経過記録に記載していた。看護経過記録から抽出した文節は385文節で、「指導内容」30.1%、「患者の反応」25.8%、「看護師の解釈」24.4%、「患者情報」19.7%の4つのグループに分類された。「患者の反応」に関する記載は99文節で3つの小グループからなり、「看護師の解釈」に関する記載は94文節で6つの小グループから構成されていた。これらの記録は、看護の専門性を表す上で重要な記録であり、看護師のアセスメントは医療チームにとって共有すべき重要な情報となることが確認できた。「指導内容」、「患者情報」に関する記載はパスのメリットを生かし、記録の短縮化を図る上で今後整理をしていくことが課題となった。

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© 2008 一般社団法人日本クリニカルパス学会
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