2009 年 11 巻 1 号 p. 37-40
当院は321床の公的・中核病院であり、2002年からクリニカルパスが導入された。2003年度の日本医療機能評価機構による指定病院化をめざし取り組みを開始していたが、その一環としてクリニカルパスの導入も目標とされていた。その後全国的にカルテの電子化が推進されていることに対応し、2006年6月からは電子カルテ(NEC社製HS-MI・RA・Is)が稼働し、同時に電子パスが開始された。紙パスの導入および電子カルテ、電子パス開始については病院主導で開始されたため、各診療科ではそれぞれの状況に応じて対応していた。その結果診療科によって状況がかなり異なり、職員の意識にもばらつきが生じた。近年のこのような体制の変化は日本の多くの病院で経験されていると思われるが、個々の病院にとり環境の変化に適応することはかなり困難である。今回当院では電子カルテと同時に電子パスが開始されたが、パスの電子化時の問題点を報告することにより、同規模の公立病院等の施設への情報となるとともに当院へも還元できると考え、今後の電子パス運用を進めるに当たり当面の問題点につき検討を加えた。