2010 年 12 巻 3 号 p. 186-191
福山市は人口約46万人の中核都市であるが、心臓カテーテル検査室(カテラボ)を有するのは、福山医療センター、福山市民病院、福山循環器病院の三急性期病院である。今回、三急性期病院共同で、福山地区の急性心筋梗塞地域連携クリニカルパスを作成し、福山市医師会の協賛のもと福山市の診療所、病院医師に提案し、改良を加えた。地域連携クリニカルパスに盛り込んだ項目は、心筋梗塞の二次予防(リスクファクターと虚血性心疾患自体のコントロール)を行うため①血圧135/85mmHg未満、②糖尿病合併例ではHbA1c<6.5%、③LDL-C<100mg/dLにコントロールできているか、④禁煙は継続できているか、⑤胸痛症状、心電図変化はないか、内服薬としてアスピリン、アンギオテンシン変換酵素(ACE)阻害剤/アンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬(ARB)、β遮断剤、スタチンは継続できているか、をチェック項目とした。生活指導として、塩分制限、摂取カロリーは守られているか、体重増加はないか、そして患者自身の記録として、胸痛の有無、ニトログリセリンの使用状況、血圧、脈拍、服薬状況、および患者の相談したい項目を記入させ、患者と医師のコミュニケーション、教育および診療のツールとした。