2012 年 14 巻 3 号 p. 185-192
2005年1月、CPTプロジェクトは本学会のワーキンググループとして設置された。この組織は、当時、ファイルメーカーを用いて紙パスを作成するなど、end user computingが医療現場で広く活用されていたことから、その領域的確立を目的に設置されたものである。その後の7年に及ぶ活動の成果として、end user computingの領域的確立の基礎を形成したこと、経営情報や教育など医療に限らない議論の場を開拓したこと、活動の基盤となる組織作りを行ったこと、わが国の医療におけるend user computingおよびクリニカルパスの電子化に対する学問的アプローチを世界に向けて情報発信したことなどはCPTプロジェクトが残した成果の中でも特筆すべき業績といえる。このように当初の目的はほぼ達成したといえるが、電子パスの機能標準化など、活動の中で明らかになったパスの電子化に関する諸問題は学会の枠を超えた活動が必要であり、CPTプロジェクトで扱うことは決して適切とはいえない状況となった。こうした経緯からCPTプロジェクトは2012年3月に理事会で設置が承認された電子化委員会に発展的解消することとなった。End user computingに関する報告を見る限り、世界でも稀な活動であり、大きな成果を残したCPT プロジェクトの活動を終焉するにあたり、これまでの活動を総括し、ここに報告を行う。