2013 年 15 巻 3 号 p. 153-156
今日、クリニカルパスは、医療の質、効率、安全の確保・向上に極めて有用なツールと認識されるようになったが、これが開発された背景、紆余曲折を経て進化してきた歴史を鳥瞰した。パスの起点は、狭義では1980年代 Karen Zander、Kathy Bowerによる看護のcase managementであるが、広義では20世紀初頭、Ernest Amory Codmanの、医療の質向上を目指す病院改革に遡る。1990年代後半以降、パスはわが国をはじめ世界的に普及しつつある。特に、21世紀に入り、European Pathway Associationが設立され、International Journal of Care Pathwaysが創刊されて以降、パスの実践と研究は大きく進展している。