日本クリニカルパス学会誌
Online ISSN : 2436-1046
Print ISSN : 2187-6592
実践報告
脳梗塞急性期と慢性期の汎用型クリニカルパスの作成
中山 貴博坂本 太朗坂本 久乃中野 望美片山 絹代
著者情報
ジャーナル フリー

2013 年 15 巻 3 号 p. 182-186

詳細
抄録

緒言:脳梗塞パスは、重症度別、病型別、退院先別などのパスが知られているが、それらと無関係で簡単に適応できる汎用型の急性期と慢性期脳梗塞クリニカルパスを作成した。

方法:入院日数の頻度がラクナ梗塞では最多の15日に余裕を持たせた16日間の脳梗塞急性期パス、急性期から回復期転院までの期限2 ヵ月を診療するための、50日間の慢性期脳梗塞パスを作成した。急性期パスには最大限の治療を載せ、取捨選択することで処方漏れがないようにし、リハビリテーション(リハ)開始を3日目とした。両パスとも入院診療計画書の要件を満たした患者用パスを作成し、2011年4月から使用開始した。

検討:発症3日以内の急性期脳梗塞患者で、入院から端座位になるまでの期間が16日以下の患者について、パス使用開始前2010年度と開始後2011年度で、発症年齢、入院日数、入院からリハ開始までの日数、NIHSS、Barthel Index(BI)を検討した。医師・看護師からパス使用に際する感想を聴取した。

結果:発症年齢、入院日数、入院時NIHSSの有意差はなかったが、入院からリハ開始までの日数の短縮、BI改善度の上昇に有意差を認めた。医師からは迷わずパスを適応しやすい、看護師からは看護計画を立てやすく患者に説明しやすいという感想が得られた。

考察:対象患者のBI改善度が増加し有用なパスと考えた。汎用型パスでリハの規定が本パスの重要点と考えた。

著者関連情報
© 2013 一般社団法人日本クリニカルパス学会
前の記事 次の記事
feedback
Top