2013 年 15 巻 3 号 p. 193-197
はじめに:当院は2004 年9 月に電子カルテを導入し、ほぼ同時期より電子クリニカルパス(以下、電子パス)の使用を開始した。さらに2010年11月の電子カルテ更新に伴いData Ware House(以下、DWH)によるデータ抽出が可能となった。しかし、電子カルテ更新時点ではアウトカムおよびパス終了時の評価がほとんど入力されていなかった。そこでアウトカム評価とパス終了時評価の入力状況について調査し改善にむけての取り組みを行った。
活動内容:DWHにてアウトカムやパス評価を抽出し、アウトカム未評価率やパス終了時の未評価率を毎月集計した。アウトカムおよびパス終了時の評価が正しく入力され未評価が減少するためには、看護師や医師に改めて評価入力の意義や方法を知ってもらう必要があり、改善にむけての取り組みを行った。
結果:入院電子パスのアウトカム未評価率は2010年11月に37%であったが2012年6月には25%へ減少し、パス終了時の未評価率は入院の電子パスでは50%から22%、外来の電子パスでは100%から6%へそれぞれ減少した。
結論:アウトカムやパス終了時評価の未入力を減らす取り組みを行い、改善がみられた。今回の取り組みで評価を入力することは定着したが、評価精度など問題もあるため、評価入力が正しく行われるよう今後も取り組みを継続し、バリアンス分析や電子パスの評価、改善を推進していきたい。