日本クリニカルパス学会誌
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Print ISSN : 2187-6592
実践報告
当院における電子パス導入過程の問題点とその対策
伊藤 忠雄
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2014 年 16 巻 1 号 p. 28-31

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抄録

はじめに:当院では2011年1月に電子カルテが導入されたが、紙パスでの運用が続いていた。紙パスでの運用ではオーダリングとリンクしていないこともあり、クリニカルパスの導入そのものが進んでいなかったが、2013年4月から電子パスを積極的に導入する方針とした。電子パス導入過程における問題点と対策を検証し、より簡便な電子パス導入に関する方策を提案する。

導入過程:富士通HOPE/EGMAIN-GXが採用されており、パス委員のいる外科・泌尿器科で一部のパスを先行して電子化し、徐々に他科にも広げていった。電子パスの形態や指示簿など術式横断的に統一できるものは可能な限り統一し、ばらつきを少なくした。作成した電子パスは、仮運用を行い修正してからパス委員会に登録を申請した。

導入結果:スタッフが電子パスに慣れる時間を考慮し、電子カルテ上でのパス承認後約1 ヵ月間を仮運用期間とし、徐々に電子化を進めていった。2013年4月末から電子パスを導入したが、8月末までに外科・泌尿器科ですべてのパス電子化が終了し、電子パス適用率も順調に上昇した。

考察:電子パス作成というハードルを低くするため、電子カルテに電子パス作成見本例が収載されているなどの方策が必要であると思われた。また、電子化には保存・承認権限の付与や管理、看護記録とアウトカム記載の調整など様々な作業が必要となるが、現在の医療の質を検証する良い機会にもなると思われた。

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© 2014 一般社団法人日本クリニカルパス学会
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