2015 年 17 巻 1 号 p. 5-9
佐世保市立総合病院における前立腺がん地域連携クリニカルパス(以下、パス)は、国の政策とは関係なく長崎県の統一パスに基づいて独自に進め、2013年7月より運用を開始した。
今回運用を開始したパスは、内分泌療法、前立腺全摘術後、放射線療法後、PSAフォローの4種類である。内分泌療法、前立腺全摘術後、放射線療法後は、一年ごとに計画策定病院である当院の再受診を義務付けた循環型の連携パスである。PSAフォローは、PSA値が一定以上の値に上昇した際に再紹介してもらう非循環型の連携パスとした。
導入3ヵ月と期間が短い現時点では、バリアンスの発生はなく順調な運用開始といえる。しかし、離島や地域によっては連携先がなく、連携先となる医療施設の確保が十分にできていない現状がある。このため、今後も地域連携の啓発活動を行って連携医療機関の増加を図り、どの地域であっても同じ治療が受けられるよう医療体制を確立していく必要がある。そして、定期的にパス説明会、バリアンスを認めた場合の解析を行い、地域連携パスを改良して円滑な地域連携が図れるよう取り組んでいく。