2016 年 18 巻 2 号 p. 109-114
手術室看護記録は病棟看護師を対象に作られていることが多いが、当院では多職種で情報共有できる独自のクリニカルパス形式の手術室看護記録を作成した。
今回、手術室看護記録の活用状況についてアンケート調査を実施した結果、手術室看護記録を読んでいる割合は理学療法士が82%、医療事務が100%であった。理学療法士が確認している内容は、手術内容が90%、術前後の関節可動域が80%、術後の外固定の種類・期間が60%で、術後の肢位や術後リハビリテーションに活かせる項目が多かった。医療事務が確認している内容は、手術内容、気道確保種類、神経ブロックの有無が100%、自己調節鎮痛法(PCA)使用の有無、ドレーン・ルート類留置の有無、手術体位、骨移植の有無などが67%で、手術の診療報酬に関する項目が多かった。
手術室看護記録は単なる病棟看護師への申し送り用紙ではなく、理学療法士、医療事務の多職種において情報共有できる一つのツールとなっており、また術後ケアする上で活用されていることがわかった。