2019 年 21 巻 1 号 p. 15-20
目的:平成28 年度の当院の平均在院日数11.6 日に対し、心不全患者は39.0 日と長かった。入院中の長期安静 に伴い筋力低下・認知機能低下を来し離床が進まないことに加えて、看護師の運動療法に対する旧来の消極的な考え方も要因であった。そこで早期にリハビリテーション(以下、リハビリ)介入をすることで、在院日数短縮やADL 維持に繋がると考え、心不全リハビリテーションパス(以下、心不全リハビリパス)を作成した。
方法:ICU 看護師が中心となって平成29 年3 月に心不全リハビリチームを結成し、心不全リハビリパスに記 載する項目や内容、種類、介入時期などを話し合い安静度に沿った3 種類の心不全リハビリパスを作成した。 運用方法を決め、平成29 年6 月より使用を開始した。
結果:心不全リハビリパスを3 種類作成したことで、治療による臥床安静を必要とする急性期からリハビリ を実施することが可能となった。またクリニカルパス(以下、パス)にしたことによって、運動療法を毎日休むことなく行うようになった。
考察:心不全リハビリパスによる心不全リハビリの標準化により、看護師の心不全リハビリに対する考え方 も積極的になった。また、リハビリが毎日計画的に実施されることで不要な安静期間が回避され、早期離床が進むことから在院日数の短縮が期待できる。