日本クリニカルパス学会誌
Online ISSN : 2436-1046
Print ISSN : 2187-6592
原著
クリニカルパスによる栄養指導の実際
―クリニカルパスへのPOS導入の試み―
河原 和枝遠藤 陽子
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2002 年 4 巻 2 号 p. 47-51

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抄録

 クリニカルパスにPOSを導入することにより「質」と「効率」を兼ねそなえた栄養ケアができるのではないかと考え、試行した。その結果、メリットとしては①指導目標・時期があらかじめ整理されているので患者への指導内容や管理栄養士の役割を明確にできる。②疾患の治療方針を十分理解した上でPOSにより患者個々の問題点も併せて整理できるので短時間で、患者の問題点や理解度に合わせた的確な助言ができる。③パスチェックのみに比べ、患者特有の細やかな記録が可能であるなどがあげられた。パス導入、あるいはパス導入を検討することにより、医師、看護師、コメデイカルとのコミュニケーションが以前にもましてスムーズにできるようになった。パスとPOSの併用は栄養指導計画や栄養管理計画が立てやすく、また、POMRによる記録は誰からも理解されやすいことから、栄養指導や栄養管理を始める際のファーストステップとして十分活用できると思われた。

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© 2003 一般社団法人日本クリニカルパス学会
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