2002 年 4 巻 2 号 p. 53-58
患者の栄養マネージメントを、クリニカルパスとの連動のなかでどのように対応させていくべきなのか、栄養管理記録のPOS導入の実態調査から現状と課題について検討した。
その結果、POS実施施設は記入時間の短縮化や記入方法の合理化により栄養管理記録をつけ、現行の記入内容に満足せず栄養の専門職としてレベルアップをはかりながら医療への積極的な姿勢が伺えた。一方、SOAP分類の記入内容は、「主観的情報」と「客観的情報」に比し「評価」と「計画」で適切でない記入がみられたり、「評価」する基準を設けていなかったり、チーム医療での栄養管理記録の利用が少ないなど、栄養管理記録にPOSを活用しきれていない実態が明らかとなった。
今後、クリニカルパスとの連動に向けて、POSを取り入れた栄養管理記録は、記入内容を含め、将来にどう発展させていくべきなのか、患者の栄養マネージメントと栄養管理記録をうまく融合させる改善が必要である。