日本クリニカルパス学会誌
Online ISSN : 2436-1046
Print ISSN : 2187-6592
原著
緊急PTCA後の急性期リハビリテーションを中心とした急性心筋梗塞クリニカルパスの作成
篠川 香奈子林 友子川越 厚子尾川 洋子臼田 和生
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2002 年 4 巻 2 号 p. 77-80

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抄録

 心臓リハビリテーション(心リハ)に影響する諸因子を分析し心リハを中心にした緊急PTCA後のCP作成を試みた。平成12年1月~12月の期間中にAMIの診断を受け、緊急PTCAを行った患者80名の内、発症前にADL障害があった27名を除外した患者53名を対象に、平成12年の診療録を調査した。心リハ終了日(短期的アウトカム)を従来平均値より1.5日短縮した第12病日と設定し、53名を12病日以内の終了群(19名)と、12病日以降の終了群(34名)に分けた。患者背景、急性期治療内容、心リハ進行に関わる患者側と医療者側要因からみた項目を挙げ、両群の有意差について分析した結果、病状の違いなど患者側の要因に有意差がなく、開始日、実施項目数、心リハ期間中の休日数の4項目に有意差が認められた。このことから、患者の要因に関わらず統一した心リハCPを適用することが可能と考えられた。CP作成にあたり、短期的アウトカムに加え開始日、実施項目数、退院日(長期的アウトカム)を設定し到達目標を明らかにし、退院までの治療計画が明確になったことで、心リハ進行状況に応じた看護目標を設定し、看護ケアを標準化することによりCPを作成することができた。

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© 2003 一般社団法人日本クリニカルパス学会
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