日本クリニカルパス学会誌
Online ISSN : 2436-1046
Print ISSN : 2187-6592
原著
当院におけるヴァリアンス分析基本方針
勝尾 信一吹矢 三恵子吉江 由加里角谷 文恵酒井 さおり片山 昌隆
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キーワード: Critical Pathway, Variance, Analysis
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2002 年 4 巻 2 号 p. 67-75

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抄録

 当院のクリティカルパスは2000年1月にトップダウンで全病院的に取り組むことが決定した。型式は全科統一フォーマットのオールインワンパスとし、それに伴いヴァリアンスの定義を、追加された指示・処置や患者状態の異常はすべてヴァリアンス(オールヴァリアンス)とした。またすべてのヴァリアンスにコードをつけることとし、ヴァリアンスコードも全パス共通とした。また2002年10月からは1つのヴァリアンスに複数のコードをつけることを容認している。当日のヴァリアンスに対する行動は日々のページに記載し、別紙のヴァリアンスシートにコードと内容のみ記載し、パス終了時にはヴァリアンスシートをカルテからはずし分析用に保存する。一定数のパスが終了したらヴァリアンス分析を行うがその際にはヴァリアンス分析基本方針表を用いる。この表はコードとその出現頻度によって対応策の考え方が記載してある。この方式を採用することにより、オールヴァリアンスにする欠点が解消でき、またゲートウェイ式ヴァリアンスでは見逃される可能性のある内容も抽出できるようになった。ヴァリアンスの定義およびヴァリアンス分析基本方針を明確にしたことで取り組みやすくなった。

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© 2003 一般社団法人日本クリニカルパス学会
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