2003 年 5 巻 1 号 p. 125-130
患者背景が多彩な出血性潰瘍パスの作成にあたり、個別性へも配慮できるパスが必要と考え、通常のパス表と見開きになる形でワークシート形式を採用した。ワークシートの左半分には、各部門の指導・説明内容を箇条書きにし、それに対する成果は客観評価できるようにチェック方式で記入できるようにした。右半分はフリースペースとして、すべての部門のスタッフがそれぞれの立場で得た患者情報を自由に記載できるようにした。これにより、各部門の業務内容がチーム全体で理解し合え、また患者情報の共有化が図れ、患者の個別性にも配慮しやすくなった。また、ワークシート上で各部門間でコミュニケーションも行なわれるようになりチーム医療の推進にも有用と考えられた。今回作成したワークシートを利用した形式のパスは、対象疾患が個別性への配慮の必要性が高い場合に有用と考えられた。また、まだチーム医療が定着していない施設におけるチーム医療の推進をもたらすツールとしても有用と考えられた。