2003 年 5 巻 1 号 p. 39-45
紙媒体でのクリニカルパス(以下パス)の運用にあたっての課題であったバリアンス登録、集計について、電子カルテと統合することにより解決することができた。全ての職種が行為をパス表に全て登録しておき、共通画面と院内統一のフォーマットとした。内容を修正しようとすれば、バリアンスの登録が必須となるように設計した。
バリアンス項目は、今後の集計作業をリアルタイムに行えるように、パスに影響するのかどうかの大分類、職員等の要因分類としての中分類、その内容に関する小分類、内容の詳細な項目の詳細分類と4階層に分類し、これらを全てコード化した。これらの中には正・負の分類に関しても網羅した。検査の予約もパス表から可能であり、電子カルテへの記録もパス表より可能になり、看護記録はパス毎に登録されたフローチャートでの記載で済むようになった。バリアンス発生時のみ、看護記録はPOS方式の記載を行うようになった。
実施入力も各種実施入力画面との連動、整合性の確保により、患者を中心としたチームでの情報共有も確立された。適応患者のパス表では、バリアンス登録がなされると、画面の色調が変化し、リアルタイムにコードの参照ができるようになった。