2003 年 5 巻 1 号 p. 31-37
医療の分野では、医療の均質化を目的にクリニカルパス(パス)の導入が盛んに行われている。一方、多職種が参加するケアの分野では特にケアの均質化によるチームケアの充実が必要である。筆者らは継続的ニーズの評価、ケアの均質化、チームケアの確立,業務の簡略化を目的に在宅ケアのパスを作成した。最初に、介護保険で共通に用いられているサービス利用票を利用し、サービス内容に共通語を用いサービス内容の具体化を行い次にサービス内容に沿った記録をサービス内容票と連動させ、記録の簡略化を計った。
最終的に作成されたパスは、縦軸に必要なサービスを選択するのに行われたアセスメントのニーズ、選択されたニーズに対する必要なサービスの種類、サービス内容および提供する事業所からなり、横軸に1週間ごとの評価とバリアンスからなっている。
アセスメントから在宅ケアのパス、サービス内容票およびサービス内容票に連動した記録の一連の流れで、利用者へのサービス内容や各職種間の役割や責任が明確になり、また、ニーズの継続的評価と記録の簡略化による業務の短縮が可能になった。