日本クリニカルパス学会誌
Online ISSN : 2436-1046
Print ISSN : 2187-6592
原著
在宅ケアのクリニカルパス作成の試み
今野 孝彦溝口 節子田嶋 千代恵伊藤 元博
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2003 年 5 巻 1 号 p. 31-37

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抄録

 医療の分野では、医療の均質化を目的にクリニカルパス(パス)の導入が盛んに行われている。一方、多職種が参加するケアの分野では特にケアの均質化によるチームケアの充実が必要である。筆者らは継続的ニーズの評価、ケアの均質化、チームケアの確立,業務の簡略化を目的に在宅ケアのパスを作成した。最初に、介護保険で共通に用いられているサービス利用票を利用し、サービス内容に共通語を用いサービス内容の具体化を行い次にサービス内容に沿った記録をサービス内容票と連動させ、記録の簡略化を計った。

 最終的に作成されたパスは、縦軸に必要なサービスを選択するのに行われたアセスメントのニーズ、選択されたニーズに対する必要なサービスの種類、サービス内容および提供する事業所からなり、横軸に1週間ごとの評価とバリアンスからなっている。

 アセスメントから在宅ケアのパス、サービス内容票およびサービス内容票に連動した記録の一連の流れで、利用者へのサービス内容や各職種間の役割や責任が明確になり、また、ニーズの継続的評価と記録の簡略化による業務の短縮が可能になった。

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© 2003 一般社団法人日本クリニカルパス学会
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