クリニカル・パス(以下パス)は患者の満足度向上やインフォームドコンセントの充実をはかるツールとして各病院で導入されている。2002年8月20日より我々臨床検査技師は、冠動脈造影検査パスの中に採血結果の説明を取り入れた。これは患者のベットサイドに患者自身の採血データとそれら検査項目のパンフレットを持参し解説することである。
そして約3ヵ月後、我々の説明が本当に理解され満足しているかを検証するため、採血結果を説明した患者にアンケート調査を行った。アンケート調査は2002年10月15日から2002年12月10日までの約2ヶ月間で、43名の患者に実施した。その結果89%の患者が我々の説明に対し理解を示しており、とりわけ動脈硬化性病変に関与している脂質検査4項目の理解度が最も高かった。また88%の患者が他の疾患に対してもこのような説明を望んでいることがわかった。
このように患者自身が病気の成り立ちや将来の展望についての情報を希望していることから、検査結果の説明を通じて学習意欲の向上を促すことが、今後の我々医療従事者には重要と思われた。