2004 年 5 巻 3 号 p. 577-583
入院から在宅への早期復帰には、疾患の治療と同時に、在宅生活に必要な機能面、介護面のニーズの把握とそれらに対する援助が必要である。入院時に使用している問診票は主に医療面が中心となっており、一部機能面の評価が導入されている問診票もあるが、在宅生活に必要なニーズを全て網羅していない。筆者らは在宅生活に必要なニーズを全て盛り込んだ問診票と在宅ケアのクリニカルパスを作成し使用してきた。この在宅ケアのクリニカルパスと問診票のニーズ分析は基本的に一致しているため、在宅→入院→在宅の流れを訪問サービス提供者と病棟看護師が共通に理解することができ、チーム医療、チームケアの向上に貢献していると判断された。本論文では、新しく作成した問診票の内容と特色および、在宅ケアのクリニカルパスとの連動の実際例を報告した。