日本クリニカルパス学会誌
Online ISSN : 2436-1046
Print ISSN : 2187-6592
実践報告
PEG症例における栄養アセスメントの検討
―クリニカル・パスを利用した血液データの測定―
笠井 久豊小林 尚子佐久間 隆幸堀川 陽雅橋本 章清水 敦哉
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2005 年 6 巻 3 号 p. 455-459

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抄録

 近年増加しつつある胃瘻症例は、当院では栄養サポートチームにより管理されている。現在、栄養状態を把握するのに様々な検査項目が用いられているが、その測定は主治医によりまちまちであった。そこで我々検査課より、院内検査でリアルタイムに検査値が得られること、コストが安価で極力医療保険の適用を有することなどから、アルブミン、プレアルブミン、総リンパ球数の3項目を栄養アセスメントの項目として取り上げ、パスに組み込むことで業務の統一を図った。

 そして胃痩を施行する当日の朝と、胃痩が順調に機能していることを確認した2~5週後に、これら3項目を測定し推移をみることで、どの血液マーカーが最も栄養状態を鋭敏に反応するかを検討した。その結果、プレアルブミンの変化がアルブミンおよび総リンパ球数のそれに比し有意に上昇していた。プレアルブミンが栄養状態の変化を的確に捉え、早期の栄養評価の血液マーカーとして最も有用であると思われた。

 今回検査課より必要な血液マーカーを選択し、胃瘻造設術のパスに組み込むことで、業務の統一化を図りチーム医療の推進に貢献できたと思われた。

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© 2005 一般社団法人日本クリニカルパス学会
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