当手術室は独自の医療用クリニカルパス(以下クリニカルパスをパスと略す)を使用してきた。しかし、病棟のパスと書式が違うために「情報が共有されていない」、という意見が手術室、病棟スタッフ双方から聞かれた。
そこで今まで別々の用紙であった手術室と、病棟のパスを統合し、書式も縦軸に処置・観察・アウトカム・サイン欄などの項目、横軸に日時をいれたパス(術中期を含む周手術期パスを以下スルーパスと略す)にすることで病棟との情報の共有ができると考え、まず眼科白内障手術のスルーパスを作成した。
特徴として、①周手術期のパスに術中期を含めた内容にした。②コ・メディカルが参加できるようチェックボックスや記載欄を設けた。③記録の重複をなくした。④医師指示を統一し、記載した。など総合的な治療経過の把握と記載が可能な包括化されたパスである。
今回、眼科白内障手術のスルーパスを使用した手術室・3階西病棟の看護師16名にアンケート調査を行った。結果12名(75%)のスタッフが以前使用していたパスに比べてスルーパスの有用性を認めている結果になった。理由として、「転記がなくなった」、「入院から退院までの流れが一目でわかりやすくなった」、「連携が図りやすくなった」などの意見があった。
スルーパスの導入により、手術室や病棟間だけでなくコ・メディカルとも情報の共有ができた。さらに記録の効率化もでき、チーム医療がより効果的になった。
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