日本クリニカルパス学会誌
Online ISSN : 2436-1046
Print ISSN : 2187-6592
実践報告
電子化クリニカルパス移行への取り組み
岡本 泰岳
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2005 年 7 巻 1 号 p. 35-38

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抄録

 2003年9月より統合型電子カルテの全面運用を開始した。紙媒体のクリニカルパス(以下、紙パス)から電子カルテシステムと連動したクリニカルパス(以下、電子パス)への移行に伴って発生した問題点とその対策を、①電子カルテ運用前、②テストパス運用中、③全科展開後、に分けて報告する。①電子パスに求める基本コンセプトに基づいて、パッケージされていたパス機能を全面的に改良した。②改良した電子パス環境下にテストパス5種による臨床運用を行った。臨床現場での意見や不具合事象を取り入れさらに改良、機能追加を行った。その作業と平行して電子パス作成マニュアルと運用基準を作成した。③2004年3月より全科展開を開始した。クリニカルパス分科会で審査を行い認可された電子パスのみを適用可能とした。電子パス作成普及と運用基準の遵守のために定期的な講習会の開催と院内パス大会を利用した。2005年1月現在、52種の電子パスが稼動し、適用率は30%に達した。紙パスから電子パスへの移行に際しては、病院の電子パスに求める基本コンセプトを明確にし、それに基づいたパス機能の改良や開発を行うべきである。また運用に当たっては紙パス以上に教育と運用ルールの徹底が必要である。

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© 2005 一般社団法人日本クリニカルパス学会
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