日本クリニカルパス学会誌
Online ISSN : 2436-1046
Print ISSN : 2187-6592
実践報告
院内LANを活用したクリニカルパス運用支援システムの開発
佐藤 三七須江 歌子鈴木 政道込堂 るみ子朴澤 孝治
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2005 年 7 巻 2 号 p. 95-99

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抄録

 当院では、オーダリングシステムが導入されていないため、クリニカルパス(CP)は、関連部署へ複写式のパス伝票を配布するか、パスの指示を処方箋等に転記する形で運用されていた。複写式は、印刷コストがかさむ上、パスの改変が行いにくい。また、複写が不明瞭な際は、指示を誤って受ける危険があった。複写以外のCPでは、転記作業があるため、医師・看護師の作業負荷が増加する上、転記ミスの危険があり、医療安全上の問題があった。以上の問題を解決するため、Microsoft Accessを活用してCPデータを電子化した。既存の院内LANを利用して、各部門の連携を強化し、CPの指示がペーパーレスで各部門に伝達されるシステムを構築した。

 2004年3月から、12月までの10ヶ月間に、6診療科・10種類のCPを作成し、358例に適用した。転記作業が無くなり、医療安全の面で改善が得られた他、医事システムの患者属性とパスの内容を利用し、退院時要約等の書類作成を容易にしたので、業務の効率化も得られた。IT化の進んでいない病院において、今回開発したシステムは、オーダリングシステム・電子カルテシステムの導入前段階として有用であると考えるので報告する。

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© 2005 一般社団法人日本クリニカルパス学会
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