日本クリニカルパス学会誌
Online ISSN : 2436-1046
Print ISSN : 2187-6592
実践報告
多職種が連携できる糖尿病パスの活用
~地域連携パスを見据えて~
尾崎 弘巳白樫 加代子嶺尾 郁夫藤崎 公達佃 暁子小門 明美中島 七子神谷 裕喜砥上 久美子飯田 さよみ
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2007 年 9 巻 4 号 p. 661-665

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抄録

 泉大津市立病院では平成11年にクリニカルパス推進委員会が設置され、委員会を中心にパスの作成・利用・改定が繰り返し行われた。当初より、糖尿病パスは医療スタッフである医師、看護師、薬剤師、管理栄養士、臨床検査技師、理学療法士が作成に参画しチーム医療強化に努めてきた。今回平成18年1月に多職種間での連携をより深める目的でパス改定を行った。スタッフパスに沿った患者パスはオーバービュー方式に続いて日めくり式になっており、毎日のスケジュールが分かり易くしてあり、かつ充分なスペースがあるので血糖値等の検査値を記録できる。病気の説明、栄養指導、運動療法、薬物療法の説明を加えて「療養の手引き」という1つの冊子にした。今までは重複したパンフレットが複数冊あり、他職種の活動把握が困難であったのが、解消された。この改定版スタッフおよび患者パス使用にて、職種間の連携が強くなったかどうかアンケート調査を施行した。パスに関わるスタッフの62%が連携しやすくなったと回答した。改定版パスは指導内容がより専門的になり、業務内容をスリム化でき、チーム医療の活性化に繋がるとの評価を得た。患者からも糖尿病療養に役立つとの好評価を得ている。糖尿病地域連携パス運用に向けて、より充実した内容の糖尿病パスにしていきたい。

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© 2007 一般社団法人日本クリニカルパス学会
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