日本障害者歯科学会雑誌
Online ISSN : 2188-9708
Print ISSN : 0913-1663
ISSN-L : 0913-1663
症例報告
静脈内鎮静法および深鎮静により対応した全前脳胞症の1例
里見 ひとみ, 関野 麗子, 鴨下 亮平, 岡 俊一, 見崎 徹, 白川 哲夫
著者情報
ジャーナル フリー

2015 年 36 巻 2 号 p. 111-117

詳細
抄録
全前脳胞症とは,胎生3週から4週にかけてなんらかの原因により,前脳の分化の障害と顔面正中部の形態形成が障害される疾患で,精神遅滞を合併し,歯科治療を行う際は静脈内鎮静法などの併用が必要とされている.われわれは,当院を受診した全前脳胞症患者に対し,静脈内鎮静法または深鎮静(Deep Sedation)による行動調整法でCT撮影および歯科治療を行った.患者は22歳の女性で,全前脳胞症に重度精神遅滞,口唇口蓋裂(術後),鼻中隔欠損,てんかんを合併している.鼻口腔瘻閉鎖術を行っていたが,鼻腔と口腔は交通していた.歯科治療に対して極度の恐怖心を示し意思疎通は困難なため,静脈内鎮静法またはDeep Sedationを併用して歯石除去とCT撮影および抜歯を計3回に分けて行った.鼻腔と口腔が交通していたが,処置中に鼻腔に水分や分泌物が流入し咳き込むことはなかった.また,鼻呼吸は可能で,静脈内鎮静法の合併症である呼吸抑制や上気道閉塞を予防するうえで酸素投与は有効であった.
著者関連情報
© 2015 一般社団法人 日本障害者歯科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top