2012 年 53 巻 5 号 p. 218-226
海面(水面)の廃棄物最終処分場は,埋立区画の底面遮水層として在来地盤の沖積粘土層を利用している場合が多い.遮水層の層厚は,規定値を満足する必要があり,埋立廃棄物の沈降および着底時に及ぼす衝撃によって減じられることがあってはならない.埋立廃棄物の沈降現象を把握することは,周辺環境への影響などを把握するうえで,非常に重要なことである.このような現象を数値解析的に見積もる解析手法については,適切な手法の開発には未だ至っていないのが現状である.そこでわれわれは水中を沈降する物質の挙動を推察するための数値解析手法について検討している.本論では,実験結果と比較し,CIP法による数値解析手法の再現性について検討した.
その結果,流体と剛体をモデル化したCIP法によって,単粒子自由沈降の挙動を表現できることが示された.とくに,底面遮水層への衝撃力やめり込み量を算出するための終端速度を算出するのに適していることが示された.