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応用地質
Vol. 55 (2014-2015) No. 4 p. 156-165

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http://doi.org/10.5110/jjseg.55.156

論文

 高レベル放射性廃棄物の地層処分では,数万~数十万年にわたる長期的な地下水の流動経路の変遷を考慮する必要がある.そのため,本研究では地下水の流動経路となる割れ目(透水性割れ目)の特徴に着目し,地下約300 mの水平坑道から取得したデータに基づき,透水性割れ目の変遷を検討した.
 水平坑道には,1,670本の割れ目が認められ,全体の約11%が透水性割れ目であった.透水性割れ目のうち,グラウトで充填される割れ目は,割れ目周辺母岩の変質が弱く,方解石で充填されている.一方,グラウトでは充填されていないが,少量の湧水を伴う割れ目と透水性を有しない割れ目は,充填鉱物種および割れ目周辺母岩の変質の強度ともに類似する.
 割れ目充填鉱物と割れ目周辺母岩の変質の強度の違いに基づくと,観察した割れ目では,①花崗岩の貫入・定置,②冷却過程における割れ目の形成,熱水活動による割れ目の充填と隆起・侵食に伴う割れ目の開口・伸長,③天水の流入に伴う割れ目の充填の3つの履歴が識別され,現在の透水性割れ目は,割れ目形成後の充填による透水性の低下と,その後の割れ目の開口または伸長による透水性の上昇により形成されたと考えられる.

Copyright © 2014 一般社団法人 日本応用地質学会

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