井戸の性能を評価する際の段階揚水試験によって得られる
s-
Q曲線は,多くの場合
s=
BQ+
CQ2というJacobの経験式で近似可能であり,不連続的な勾配変化点は存在しない.両対数表示にしたJacobの経験式に基づく
s-
Q曲線には0.5126
B/
Cで求められる数学的な最大曲率点が存在し,この点を境に
s-
Q曲線の曲率が変化する.ただし,最大曲率点は,揚水量の限界を表すものとは言えない.
一方,
s-
Q曲線に明瞭な勾配変化点が発生する事例は,透水性の高い不圧帯水層の下位に難透水層が分布し,スクリーンが難透水層中にも設けられている場合に見られる傾向がある.この場合の勾配変化点は揚水量の限界を表すものであるが,その値は一定ではなく自然水位の変動に伴って変化する可能性がある.
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