2017 年 58 巻 4 号 p. 279-289
中米のホンジュラス共和国では,鉱山資源の探査や研究,斜面災害対策等を目的として高等教育機関における応用地質学関連分野の専攻部門の設立を計画中である.著者らは独立行政法人国際協力機構の活動の一環で,ホンジュラス国立自治大学に対して,日本の大学における応用地質学教育の事例を踏まえて,応用地質学関連分野の専攻部門の設立に係る課題を整理したうえで実務的な提案を行ってきた.
提案はカリキュラムに関わるもの,体制・組織に関わるもので,前者では地球科学入門,地球科学,応用GIS学,環境地質学,斜面防災学に係る授業科目の追加を提案し,カリキュラムマップを整理した.後者では「地質学教員の補充」と「他学部や他機関との連携・協力」を,それぞれ提案した.
本文は,これら課題と提案内容を取りまとめたものである.