応用地質
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報告
表層崩壊の発生斜面と深層崩壊の発生斜面にそれぞれ認められる地形の特徴と崩壊が発生しうる箇所の抽出に関する一考察
西金 佑一郎 川越 健浦越 拓野長谷川 淳
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2022 年 63 巻 4 号 p. 174-184

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抄録

既往の研究から,表層崩壊または深層崩壊の発生に関わる様々な地形の特徴が報告されている.しかし,表層崩壊の発生に関わる地形の特徴と深層崩壊に関わる地形の特徴の違いについて,判読に用いる地形情報の精細さに着目した整理は十分にはなされていない.本報告では,表層崩壊および深層崩壊について,それぞれが多発した地域において崩壊発生前の斜面に認められた地形の特徴を整理した.表層崩壊については,25,000分の1地形図を用いて崩壊箇所と未崩壊箇所の地形を判読し,崩壊箇所との関連性の有無を統計的に検討した.また,深層崩壊については崩壊前の詳細なDEM(数値標高モデル)を使用して微地形を判読した先行研究をレビューし,深層崩壊箇所に認められる微地形を整理した.以上の結果,表層崩壊の発生斜面と深層崩壊の発生斜面に特徴的に認められた地形がそれぞれ3つ抽出された.これらの地形は,斜面崩壊が発生しうる箇所を判読によって抽出する際の着目点になる可能性がある.また,これらに着目して斜面崩壊が発生しうる箇所を抽出するには,表層崩壊では25,000分の1地形図が,深層崩壊ではより詳細なDEMがそれぞれ有効であると考えられる.

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© 2022 一般社団法人 日本応用地質学会
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