応用地質
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扇状地堆積物における赤色化礫の分布と性状
西山 賢一横田 修一郎岩松 暉
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1999 年 40 巻 1 号 p. 2-13

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抄録

わが国の更新世砂礫層に含まれるくさり礫の形成過程を考えるため, 扇状地の構成砂礫層を対象に, 礫の赤色化や物理的・力学的諸性質の変化について, その実態把握を試みた. 扇状地面を開析する2つの谷壁面での調査の結果, 旧地表である扇状地面から下方に行くにつれて赤色程度は単調に減少しているが, その間で礫の比重は単調増加, 有効間隙率は単調減少し, さらに貫入強度値は単調増加していることが明らかになった.
また, 礫の赤色程度と物理的・力学的性質の変化はある程度対応していることから, 赤色化・軟質化は一連の風化作用として同時に進行してきたことがわかる. ただし, 詳細に見ると, このような風化の進行には地層中の地下水位などもかなり影響しているようであり, これは湧水が見られる薄いシルト層周辺での風化程度の急変によって推定される.

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© 日本応用地質学会
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