2000 年 41 巻 1 号 p. 24-33
不連続面を直接モデル化する主な解析手法として, RBSM, JFEM, DDA等があり, RBSMとJFEMは基本的に微少変形問題に限られるが, DEMとDDAは大変形挙動の解析に適用できる. そして, DEMは, 剛体ブロックの解析だけでなく, ブロック要素をさらに差分法で離散化することにより連続体の解析も可能なコードが開発されている. そこで本手法を用いて, 実斜面 (岩盤斜面) の解析を行い, 岩盤や不連続面のモデル化方法について検討した.
一方, 不連続性岩盤斜面の解析は不確実性が高く, 解析により確定的な安全率を判定することはむずかしい. そこで, 実験計画法に基づいた感度解析を行い, すべり面の安全率に対する不連続面の長さ, および岩塊強度の相対的な影響度を分析した. その結果, 影響の大きい要因が確認されるとともに, 相対的に重要でない要因が判定することができた. したがって本手法を対策計画, モニタリング, 調査試験等に反映させることが可能と考えられる.