応用地質
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風化による砂岩礫の間隙構造の時間変化
西山 賢一水上 陽成小池 克明松倉 公憲
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2001 年 42 巻 1 号 p. 2-14

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抄録

時代の異なる段丘堆積物中の砂岩礫を用いて, 35万年間における風化による砂岩礫の間隙構造の変化を検討した. X線CTスキャン結果によれば, 密度を反映するCT値は礫全体にわたってほぼ均質であり, 風化継続時間が増すほどCT値が低下する傾向が顕著である. また, 間隙径分布の測定結果によれば, 風化継続時間が増すほど間隙径・間隙量はともに増加し, とくに1μm以上の間隙の増加が顕著である. 薄片観察結果も参考にすると, 間隙の増加は主に砂岩の基質を構成する粘土鉱物の減少に由来しており, 連結程度がよく屈曲の少ない間隙が選択的に形成されていることがわかった.

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