応用地質
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GISを用いた山地地形から三次元すべり危険斜面を抽出する方法の開発と適用
周 国云江崎 哲郎謝 謨文佐々木 靖人
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2005 年 46 巻 1 号 p. 28-37

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抄録

本研究では, 三次元斜面安定解析に必要な膨大な空間情報 (地形, 地質, 傾斜角度, 地下水位, 弱層分布等) をGISで処理し, これらのデジタル情報を高度に利用する斜面安定解析コードを開発し, 広域での三次元危険斜面の抽出方法を提案する. まず, 数値地形 (DEM) から地域の同じ方向とみなせる単位斜面 (Slope unit) を抽出する. 次に, 単位斜面に対して, 楕球体と仮定した三次元すべり体を地盤と交差させ, その交差面を三次元すべり面とし, その楕球体の寸法や形状をモンテカルロ法により乱数として発生し, さまざまな潜在的なすべり面を作り出す. この仮想すべり面で囲まれたそれぞれのすべり体に対して, 三次元安定計算を行い, 最もすべり安全率の小さいすべり体を検出する. この解析プロセスをすべての単位斜面に適用することによって, 広域における危険なすべり体の形状, 位置を特定することができる.

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© 日本応用地質学会
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