応用地質
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46 巻, 1 号
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  • 小暮 哲也, 青木 久, 前門 晃, 松倉 公憲
    2005 年 46 巻 1 号 p. 2-8
    発行日: 2005/04/10
    公開日: 2010/02/23
    ジャーナル フリー
    供試体の一辺の大きさをd, 高さを2dとする直方体供試体を用いて, 琉球石灰岩の一軸圧縮試験を行った. dの大きさは, それぞれd=1cm, 2.5cm, 5cm, 7.5cm, 10cmである. 試験の結果, 以下のことがわかった. (1) 供試体のサイズが大きくなるほど, 一軸圧縮強度 (UCS) が小さくなるという寸法効果が認められる. (2) 密度が大きくなるほどUCSが大きくなる. (3) 割線ヤング率が大きいほどUCSは大きくなる. 以上の結果は, 琉球石灰岩のUCSが, 寸法効果や密度, 割線ヤング率などにも現れる岩石の不均質性によって強くコントロールされていることを示唆している.
  • 小嶋 啓介, 鈴木 大輔
    2005 年 46 巻 1 号 p. 9-19
    発行日: 2005/04/10
    公開日: 2010/02/23
    ジャーナル フリー
    地域の地震被害予測を適切に行うためには, 起震断層の特定とともに, 対象領域の動的地盤構造を的確に評価することは最重要項目の一つである. 本研究では, はじめに, 福井平野全体を緯度・経度とも1分間隔で分割したメッシュごとに三成分常時微動観測を行い, 収集された微動のフーリエおよびH/Vスペクトルから, 観測点ごとの微動卓越周期を収集し, ボーリングデータとの統計解析から求めた微地形ごとの平均S波速度と, 四分の一波長則に基づいて, 観測点直下の沖積層および第四紀層厚を推定している. ついで, 観測点ごとの推定構造と微地形種別や標高データとの相関を利用し, 高密度で高精度な地盤構造を推定するために, クリギングおよびコクリギング法による空間補間を行い, 福井平野の沖積層および第四紀層構造の推定を行っている. 推定された地盤構造は, ボーリングデータ, 弾性波探査結果, 重力異常に基づく推定構造など既存資料と矛盾がないことを確認しており, 地震被害予測に供する基礎データになりえるものと考えられる.
  • 山口 嘉一, 中村 洋祐, 中村 真, 箱石 憲昭, 山谷 政彦, 加藤 康徳
    2005 年 46 巻 1 号 p. 20-27
    発行日: 2005/04/10
    公開日: 2010/02/23
    ジャーナル フリー
    ダム, とくにフィルダムの基礎地盤は, 軟岩, 強風化岩等の強度の小さな岩石で構成された岩盤である事例が比較的多い. この種の岩盤を掘削して時間が経すると表面の風化が進行するため, 築堤までの間, 仕上げ面を吹付けコンクリート等で養生する事例も多い. このようなダムサイトにおける仕上げ掘削面の管には, 従来の目視やハンマー打撃に加えて, 迅速で精度の高い管理方法が求められている.
  • 周 国云, 江崎 哲郎, 謝 謨文, 佐々木 靖人
    2005 年 46 巻 1 号 p. 28-37
    発行日: 2005/04/10
    公開日: 2010/02/23
    ジャーナル フリー
    本研究では, 三次元斜面安定解析に必要な膨大な空間情報 (地形, 地質, 傾斜角度, 地下水位, 弱層分布等) をGISで処理し, これらのデジタル情報を高度に利用する斜面安定解析コードを開発し, 広域での三次元危険斜面の抽出方法を提案する. まず, 数値地形 (DEM) から地域の同じ方向とみなせる単位斜面 (Slope unit) を抽出する. 次に, 単位斜面に対して, 楕球体と仮定した三次元すべり体を地盤と交差させ, その交差面を三次元すべり面とし, その楕球体の寸法や形状をモンテカルロ法により乱数として発生し, さまざまな潜在的なすべり面を作り出す. この仮想すべり面で囲まれたそれぞれのすべり体に対して, 三次元安定計算を行い, 最もすべり安全率の小さいすべり体を検出する. この解析プロセスをすべての単位斜面に適用することによって, 広域における危険なすべり体の形状, 位置を特定することができる.
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