2020 年 35 巻 3 号 p. 23-30
栄養士養成課程の学力低下が危惧される中,触覚に特化した3次元(3D)教育媒体を活用した能動的授業の実施が,問題解決の糸口であると考えられる.そこで,本研究では3D教育媒体を提供することで,栄養士養成過程の学生において苦手意識の高いタンパク質・低分子化合物等の分子構造を対象とする専門基礎分野における教育効果の向上を図った.まず,3D教育媒体の作成には,光造形方式を用いることで,ハイスループット・ハイクオリティーかつ低コスト化による造形を実現させた.さらに,学習成果の測定方法としては,対象科目におけるアンケートによる教育効果の評価を行った.その結果,3D教育媒体における立体構造の理解度において学修成果の向上が認められた.