抄録
本研究は,単一大学における組織的なIR(Institutional Research)活動の一環として,大学生活とGPA(Grade Point Average)の関連を検討したものである.2019年度から2021年度までの3年間のパネルデータを用い,固定効果モデルによる分析を行った.分析の結果,学業への取り組みと教員への相談が,GPAに対して統計的に有意な正の影響を与えることが明らかとなった.一方,部活動やアルバイトなどの課外活動は,GPAと有意な関連を示さなかった.固定効果モデルを用いることで,観察されない個人特性をコントロールした上で,これらの知見が得られた点に本研究の方法論的特徴がある.単一大学の事例研究ではあるものの,同一学生の継続的な追跡データを用いた分析により,教学マネジメントに直接活用可能な示唆を提供している.